今回は、山形の肘折温泉に宿泊した記録です。
カルデラの中にあるレトロな温泉郷
最上川から車で20分ほど、山あいを走った先に、肘折温泉という温泉郷があります。
大きなカルデラの中にあるため、肘折温泉郷へは、肘折希望大橋という特殊なループ橋で降りていきます。
鋼製ラーメン構造という工法で作った橋としては日本最大級だそうです。
昭和の香りのする、鄙びた温泉街です。メインの道路の両脇に温泉宿、お土産やさん、共同浴場が立ち並びます。少しモノクロで出してみたくなりました。
肘折には、大きな観光ホテルのようなものはありません。それも良さの1つです。
肘折名物の1つ、こけし。東北各県でも少なくなった 、こけし職人(こけし工人)の方が伝統を引き継いでいます。
今は使われていませんが、映画のセットのような郵便局がありました。
翌朝、朝市に訪れた時は開いており、コーヒーをいただきました。
昭和12年に建てられた、この木造の郵便局舎は、平成7年まで郵便局として使用されていたそうです。受付も格子窓です。よく見ると「〒」のマークが格子のいたるところに。
ガラスに「電話室」と書かれたドア。多くの方がスマートフォンを持つ現代では、歴史を物語る貴重な遺産です。
西本屋旅館 金魚のお風呂
今回のお宿の西本屋旅館です。大人1人8,000円弱の1泊2食のプランにしました。
宿泊する3週間ほど前に、ネットで探して予約しましたが、驚いたことに予約してすぐに、宿のご主人から電話がかかってきました。
「わざわざ東京からお越しくださるようですが、昔からある湯治宿で、たいした宿でもありませんが、本当によろしいでしょうか?」と。
もし、他に良い宿が見つかれば、ご遠慮なくキャンセルしてくださいとのこと。
今まで、何百件とネットを介して予約して来ましたが(出張含む)、こんな電話がかかってきたことは、ここが初めてです。念のため一緒に行く両親にも相談すると、「逆におもしろそうじゃない」と言うので、こちらに決めました。
建物は年期が入っていますが、しっかりと掃除もされており、小ぎれいです。
湯治宿らしく廊下には、ちょっとした本棚。冷蔵庫、調理場も完備。
このお宿の名物。金魚の湯です。
3歳娘が金魚が好きなので、このお宿に決めたようなものです。お湯に浸かりながら金魚の水槽をながめる。娘は大変気に入ったようで、何度このお風呂に入ったことでしょう。もちろん温泉は掛け流し。少し熱めですが、少し加水させてもらい入ります。
帰ってからも3歳の娘は、「また肘折の、金魚の温泉行きたいね」と、最高の思い出になったようです。
夕食の風景。昔なつかしく、お膳でいただきました。
最近、お膳で出していただける宿もあまりない気がします。3歳娘は初めて見る、お膳に興味津々の様子でした。
本来は、女将さんが採ってくる山菜料理が多くあるそうなのですが、今年は早くもう終わってしまったとか。山菜は、またの機会に楽しみにしておきます。
朝食の風景。朝食も同様にお膳でいただきます。
夕飯の時もそうでしたが、ご飯がとても美味しいです。お米もだけど、お水が違うのでしょうか。お櫃が空になり、おかわりをしてしまいました。
朝市
毎朝、5時30分(10月以降は6時〜)〜7時30分までメイン通りを通行止にして、朝市が行われています。6時過ぎに、出かけてみましたが、すでに賑わっていました。
野菜や漬物、さくらんぼを破格の価格で出しているところも。
この時期(初夏)は観光客が多いのでしょうが、農閑期になれば、東北各県から来る湯治客の方々にとって、重要な食料調達場になるのでしょう。
お土産の野菜をたくさん買いました。
おまけもしてくれて、食べきれないほどです。
肘折温泉周辺は、自然豊かなお出かけスポットも豊富です。
こんどは、雪深い冬にでも、お邪魔してみたいと思います。
肘折温泉 西本屋旅館
〒996-0301 山形県最上郡大蔵村南山522
TEL:0233-76-2316