豊島園のカルーセルエルドラド 110年前に造られた機械遺産認定のメリーゴーランド
豊島園の正門から入って、まっすぐ進んで行ったところに、レトロで素敵なメリーゴーランドがあります。
その名は、カルーセルエルドラド Carousel EL Dorado
1907年(明治40年)ドイツで製作され、今年(2017年)で110周年を迎えます。
2010年8月には、100年以上の歴史をもつ芸術的な回転木馬として、世界的に貴重な機械技術の遺産として「機械遺産」にも認定されました。
最近では、米津玄師の「感電」のミュージックビデオにも「としまえん」がロケ地として使用され、カルーセルエルドラドも登場しています。
全て手彫りの木馬
全てが手作りの木馬だそうです。ペンキが剥がれた感じもまた趣があります。
馬のしっぱの尾は、本物の馬の毛を使用しているそうです。
どの馬も微妙に顔の表情や耳、姿勢が異なります、同じものはありません。
馬の足元は固定されているため、上下には動きません。
馬だけでなく、豚さんもいました!
スピードは3段階
このメリーゴーランドは、乗り場が3段になっています。
1段目
一番スピードが遅い(と、言っても普通のメリーゴーランドの速さです)1段目(下段)。
優雅で人気の大きな馬車は1段目にあります。まるで宮殿にでも連れて行ってくれそうな感じもします。
2段目(中段)
次に速い2段目(中段)。Cの形をしたユニークなソファもあります。
そして、最も回転の速い3段目(上段)!
かなり速いです。回転系が苦手な人は、ちょっと恐怖の1分50秒になるかもしれません。
他の段の木馬たちを見ていると、本当に酔いそうになります。。。
彫刻は全て木製の手彫り
天使などの工芸作品は、当時全盛だった曲線的で優雅な装飾が特徴のアールヌーボー様式
遊園地のアトラクションの彫刻としては、今では少しもったいないようにも感じる彫刻の数々です。
どこかヨーロッパのお城や、美術館にでもいるような?感じもしてきます。
天井には絵画
彫刻だけではありません。天井を見上げると絵画が描かれています。
まるで、ディズニーの映画、メリーポピンズでバートが描いた絵の中に入って行くような。
どれもヨーロッパの田舎の風景の絵ばかりですが、1つ1つに意味があるのでしょうか。意味があれば知りたいです。
乗って動くというだけでなく、乗って見ているだけでも楽しめるカルーセルエルドラドです。
アメリカの大統領も乗った
ドイツで製造されたエルドラドは、1911年にニューヨーク、コニーアイランドにある 遊園地へと移りました。
1917年には、テディベアで有名な第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト(太平洋戦争の時の大統領はフランクリン・ルーズベルト)も乗ったそうです。
1964年に 閉園するまでコニーアイランドの名物として大変人気があったそうです。
そして1969年、豊島園が購入し1971年から現在までずっと豊島園で回っています。
現在では、日本国内最古というだけでなく、世界的に見ても最古級のメリーゴーランドだそうです。
メリーゴーランドが大好きな娘がいるために、今まで大小様々なメリーゴーランドに乗ってきましたが、その中でもこちらのカルーセルエルドラドは、特にオススメの1つです。
ちなみに、カルーセルはフランス語でメリーゴーランドの意味
エルドラドは、スペイン語で大航海時代にアンデスにあるとされた伝説の土地の名前から、理想郷や桃源郷という意味合いがあるそうです。