今回は、見所がたくさんあった、恐竜博2016の記録です。
東京上野の国立科学博物館での開催は終了しましたが、北九州会場、大阪会場と続くので、お近くの方はぜひお出かけされてみてはいかがでしょう。
北九州会場 2016年7月9日(土)〜2016年9月4日(日)いのちの旅博物館
大阪会場 2016年9月17日(土)〜2017年1月9日(月・祝) 大阪文化館
※各会場で展示内容が多少異なるかと思われます、ご了承ください。
荻上チキ セッション22というTBSラジオの番組で、この特別展を監修した真鍋真博士がゲスト出演され、40分以上にわたって恐竜博を詳細に解説をしていましたが、真鍋先生曰く、この企画・準備に3年かけていたそうです。
今回は、起源、植物食、飛翔、水中進出、赤ちゃん、恒温、鳴き声の7つのキーワドで解説するという、新しい試みの恐竜博です。
キーワード1 起源
まずキーワード1、起源より。
アシリサウルス Asilisaurus
日本初公開のこの恐竜は・・・、解説をよく読むと、どうやら恐竜ではないようです。骨盤の股関節が貫通していないことから、恐竜にもっとも近い爬虫類(恐竜系類)だそうです。恐竜学、古生物学に関しては、ど素人ですが、こういう解説を読むと、いつも思ってしまうのは、恐竜かどうかは、結局人間が決めていることであって、アシリサウルスにとっては、どうでもいいことなんでしょうね;。とはいえ、分類上重要だということだと思います。余計なこと書きました、ごめんなさい。
キーワード2 植物食
続いて、キーワード2の植物食です。
カマラサウルス Camarasaurus sp.
全長約4.6mの子供の実物化石です。子供の化石は、骨が小さく、もろいそうで、なかなか残っていないとか。大人になると約23m!後ろの壁に写っているのが大人の骨のイメージです。草食ですが、いったいどれくらいの草を食べていたのでしょうか。
キーワード3 飛翔
続いてキーワード3の飛翔です。
イー Yi qi
こちらも日本初公開。中国語で「翼」の意味のイー。羽毛ではなく、コウモリやムササビ、モモンガのように皮膜で飛んでいたのではないかと考えられているそうです。
解説のパネルには、「まるでバットマン!」とありました。ちなみに、まだ2015年に命名された、発見が新しい恐竜です。やはり恐竜学の世界も日進月歩、新しい発見がいっぱいです。
ジェホロルニス Jeholornis prima
実物化石。二つの尾が確認されているそうです。化石だけでは、わかりにくいので⬇️
なるほど、尾が2つです。2つの尾には、どういう意味があったのでしょうか。
余談ですが、イーがバットマンなら、このジェホロルニスは、色こそ違いますが、ファイナルファンタジーのチョコボでしょうかw。まるでチョコボ!と書いてほしかったです。
キーワード4 水中進出
続いて、キーワード4の水中進出です。
スピノサウルス Spinosaurus
今回の目玉です。ジェラシックパーク3にも登場した、スピノサウルスです。スピノサウルスの化石は、1912年にドイツの古生物学者シュトローマーによってエジプトで発見されドイツのミュンヘンに多く保管されていたそうですが、第二次世界大戦の空襲に遭い消滅。現在でも、断片的な化石ばかりしか発見されておらず、いまだに謎の多い恐竜だそうです。
さて、忘れていましたが、キーワードは水中進出です。このスピノサウルスの吻部の先には、小さな穴がたくさんあります。どうやらこれが、水中などで魚などを探知するセンサーなのでは?と推測されているそうです。
日本初公開のスピノサウルスの足の指の実物化石です。下に写っているように、底面が平坦なことから、ティラノサウルスのようにつま先立ちではなく、指と指の間に水かきがあったかもしれないとのこと。
ライバル、ティラノサウルス(左)と対峙して展示されていました。スピノサウルスの方がティラノサウルスよりも大きかったようです。よく、ティラノサウルスよりスピノサウルスの方が強いとか話題になっていますが、本当は、どちらが強いのでしょうか。
化石の迫力は、やはりティラノサウルス(手前)に、軍配が上がる気がします。
キーワード5 赤ちゃん
キーワード5、赤ちゃん(の化石)です。
カスモサウルス Chasmosaurus
上が、カスモサウルスの赤ちゃんの実物化石(日本初公開)です。世界的に見ても、特に保存状態が良好。1歳未満の赤ちゃんの可能性が高いそうです。
下に写っているのは、大人の下あごの実物化石。やはり大きいです。解説には、伝説の化石ハンター、ジョージ・スタンバーグ(1883〜1969)が採取した化石と書いてありました。どんな伝説のハンターさんだったのでしょうか、そちらも少し気になります。
チンタオサウルス Tsintaosaurus spinorhinus
少し個人的に、ユーモアがあって印象的だったのがこちら。なぜかわからないのですが、レレレのおじさんに見えてしかたありませんw
キーワード7 鳴き声
驚いたのは、7つめのキーワード鳴き声です。
パラサウロロフスの鳴き声が再現されています。骨から再現したという、この鳴き声、文字にすると「フゥァァ〜〜〜ン」というような、まるで楽器か、機械音のような鳴き声です。(NHK Eテレの「みいつけた!」でも真鍋博士が出て解説されていましたが、どれが恐竜の鳴き声かの選択問題で、あのサボノミズ博士も間違えていましたw)ぜひ会場で、お聞きくださいのみずw。
荻上チキセッション22で、今回の恐竜博を監修した真鍋博士が、おっしゃっていましたが、次は3年後の恐竜博2019を、もう企画しているとか。3年後は、いったいどんな新発見があるのでしょうか。楽しみです。
大迫力の恐竜博2016へ、ぜひお出かけされてみては、いかがでしょうか。
恐竜博2016
北九州会場 2016年7月9日(土)〜2016年9月4日(日)いのちの旅博物館
大阪会場 2016年9月17日(土)〜2017年1月9日(月・祝) 大阪文化館
【2016年4月 上野国立科学博物館へ お出かけ】