今回は、いつもお出かけしている上野動物園の、上野モノレールについてです。
実は、上野動物園のモノレールは、2017年に開業60年を迎え、現存する中では日本最古で最短のモノレールです。
追記:2019年10月31日を最後に運休する予定と、発表がありました(涙;;
上野動物園内のアトラクションではなく、鉄道事業法に基づく都営の交通機関です。
上野懸垂線
「上野モノレール」「上野動物園のモノレール」など、人によって呼び名は様々ですが、正式には「東京都交通局 上野懸垂線(うえのけんすいせん)」と言います。
たしかに、上にぶら下がって懸垂しているような構造のモノレールです。
都営の交通機関ですが、パスモやスイカなどのICカードは使えません。
現金で切符を購入して乗車です。
大人(中学生以上):150円
小児(2歳以上):80円です。
切符には、ちゃんと東京都懸垂電車と記載されています。
駅は2つ。
パンダやゾウ、トラ、ライオンなどの動物がいるJR上野駅側の東園駅と、カバ、キリン、シマウマ、両性爬虫類館がある東京メトロ千代田線根津駅側の西園駅を結びます。
車内は、前方、後方に運転席側を眺められる席と、両サイドの車窓を眺められるロングシートがあり、どの席からでも車窓の景色を眺められるようになっています。
でも、うちの3歳児も含め子供たちに人気なのは、進行方向前方の運転席側を見られる席です。
運転士さんや駅員さんなどは、都営地下鉄などで長く勤務されてきた、交通業界のベテランさんばかりだそうです。
運転手さんのみのワンマンで運行しています。
スピードも12〜13km/hと、ゆっくりと走ります。
東園と西園を結ぶ途中、イソップ橋と平行して、一般道(動物園通り)の上を通過します。
動物園外の道路から見上げると、こんな感じです(奥がイソップ橋)。
この1度、園外に出て一般道を通過することが、動物園内の遊戯施設(アトラクション)としてではなく、鉄道事業法に基づく交通機関として運行されている理由のようです。
森の中のちょっとしたジャングル?や、道路を越えて、不忍池が見えたと思ったら、もう終点です。
距離は331m、動き始めて1分半で終着駅に着く日本最短のモノレールです。
モノレールスタンプ ・グッズ
モノレールに乗るときは、モノレールの駅に置いてある、モノレールスタンプを探してみてください。
小さいお子さんにもわかるように、写真で東園、西園の主な動物の説明や、モノレール内部の運転席などの解説もしています。
そして、お家に持ち帰ったら、切って貼って作れる、モノレールクラフトが付いています。これも、上野動物園の良いお土産になります。
西園駅前のお土産を扱うショップには、モノレールに乗った動物の人形も販売していました。
混雑時は、1時間近くも並ぶことも
1分半で終点に着いてしまうモノレールですが、昔から子供たちには大人気で、土日や行楽シーズンはいつも混雑しています。
東園と西園はイソップ橋で渡ることができるので、歩いてもそんなに遠くはないのですが、うちの娘も毎回、乗りたいとせがみます。
パパも小さいころ、毎回ワクワクして乗った記憶があるのでわからないでもないですが、行楽シーズンの繁盛期には、東園駅から乗るのに1時間近く待つこともあるようです。
基本、JR上野駅側の東園から西園に人が流れるので、午前中からお昼にかけては東園駅で特に混んでいることが多いようです。
逆に、午前中は、西園駅からの乗車はそんなになく混んでいません。
土日でも午前中の西園から東園に向かうモノレールはほとんど、待たずに乗れます。
西園の午前中は特にすいており、動物たちが朝は餌を食べているところなどが、ゆっくり見られるので、混雑が特に苦手な人は西園口(根津駅側)から入ってまわるのも、おすすめです。
最高時速100kmを目標にしていた!? もともとは都電に代わる新交通機関の実験線
開業は1957年(昭和32年)10月なので、2017年で開業60年周年を迎えます。
もともとは、東京都交通局が、都電の代わりとして、道路とは分離した新しい交通機関が必要になるであろうと予見し、実験線として建設されました。
都電の代わりになる新しい交通機関の条件として
- 最高速度100キロ程度の高速運転が可能なこと
- 道路の上に建設するため、R=50(半径50m)程度の急曲線がとれること
- 100%の急勾配(45度)を登れることができること
など、当初は厳しい要望があったようです。
(モノレールと新交通のシステム:佐藤信之著、グランプリ出版より)
戦後間もない時期に、どれだけのスーパー交通機関を、都は要望していたのでしょうか;
昭和32年2月に着工して、その年の12月16日に完成。
当時は、空中を走る電車として、東京名物の1つになったようです。
2019年10月31日を最後に運行休止
現在、運行している40形は4代目です。
2019年11月から運行を休止すると発表がありました。
実は以前も、都の財政再建計画の中で、上野モノレールの廃止が決定したことがありました。しかし「子供たちの夢を失わせないでほしい」などの存続を要望する声が多く廃止を免れています。
今は経営自体は黒字だそうですが、現在の車両の整備面で調達できる部品がなくなり、今後、現在の車両で運行を続けることができなくなったとのことです。
しかし当分は施設や、レールは残すそうなので、もしかしたらまた再開!という日が来るかもしれません。
西園駅には、1970年代のパンダブームの時につけられたプレートがあります。
運行距離は短いですが、長い歴史を感じることができ、大人も楽しめるモノレールです。
運行休止になっても、またいつの日か、子供達のわくわくした笑顔を乗せて走ってもらいたいです。
上野動物園モノレール 上野懸垂線
東京都台東区上野動物園内
東園駅:JR上野駅公園口より、歩いて10分ほど
西園駅: 東京メトロ根津駅2番出口より、歩いて10分ほど
大人:(中学生以上)150円
小児:(2歳以上)80円
(別途、上野動物園の入園料が必要です。)
運行時間:9:40〜16:30
休み:上野動物園開休園日
ベビーカーは折りたたんで乗車してくださいとのことです。