お出かけいく

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子どもと、お出かけ行く(育)。30代パパによる、子供に何事もリアルに体験させてみようという試み。

フレッド・コレマツ 不当な強制収容所送りに抵抗した日系アメリカ人 児童書伝記「正義をもとめて」

先日、上野の国立国際こども図書館に行った際、小学校高学年向けの伝記を見つけた。

 

www.odekakeiku.com

 

正義をもとめて」フレッド・コレマツという日系アメリカ人の伝記。 

少し読んで、とても興味深い内容だったけど、国際こども図書館では貸出はしていない。

また、どうやら絶版になっているらしく今は流通していないようなので、所蔵のある公立の図書館から取り寄せ、読了。

 

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When Justice Failed

The Fred Korematsu Story

正義をもとめて

日系アメリカ人フレッド・コレマツの闘い

小峰書店刊行

スティーヴン・A・チン著

金原瑞人訳

 

 

グーグルのトップにフレッド・コレマツ

Googleは、2017年1月30日 米国版の検索画面のトップに、コレマツ氏のイラストを掲載し、公式ツイッターにも彼の残した言葉とともにツイートした。

 

フレッド・コレマツは、太平洋戦争中、同じ敵国であるはずのドイツ系やイタリア系のアメリカ人は不問にし、日系人だけを強制収容所に送り自由を奪うのは、合衆国憲法が保障する自由と平等の権利に反し、人種差別であり不当だと声をあげた日系アメリカ人二世。

 

グーグルが掲載したことは、トランプ政権の移民政策、とりわけ特定の国からの入国を規制する大統領令に対する、抗議ではないかとも言われている。

 

 

アメリカ人でありながら犯罪者あつかい

日系人への差別は、戦前からひどいものだったらしい。フレッド自身も何度も不当な解雇をされ、軍隊への志願も拒否される。

日本軍の真珠湾攻撃後は、日系人は皆スパイ容疑をかけられ、FBIによる家宅捜索で日本語で書かれたものは持ち去られ、日本軍に合図を送る恐れがあるからと懐中電灯まで没収される。

 

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 ある晩、フレッドはマッチをすってタバコに火をつけようとしただけで「いまは何の合図だ?だれに合図をしたんだ?」と隣人に本気で疑われたそうだ。

どこの店もレストランもガソリンスタンドも、日系人はおことわり。

「当店では、店に入ってくるネズミとジャッ プを毒で駆除しています」という看板を掲げる店まであったという。

 

フレッド・コレマツは、退去命令に従わなかった罪で逮捕される。

祖先が日本人だとしても、アメリカ人であるフレッド・コレマツは、合衆国憲法によって自由と平等の権利が保証されているとして、この不当逮捕に対し徹底的に闘うことを決めた。

そんな、日系アメリカ人に対して敵意むきだしの時代にあって、フレッド・コレマツを弁護したいと自ら名乗り出たアーネスト・ビーシングという弁護士がいた。

人権擁護を使命とするグループ(ACLU)に所属していたビーシングは、政府が日系人を犯罪者のようにあつかうのは、大きな間違いだと思っていた。

アメリカ全体が日系人を排斥しようとしている中で、ビーシングのようなアメリカ人もいたというのが、この伝記のとても興味深いところ。

 

しかしビーシングや他の弁護士の働きもむなしく、最高裁までいくも結局は有罪判決が確定してしまう。

 

 

名誉回復、大統領自由勲章受賞 

有罪判決を受けてから40年あまり経った後、最高裁で争った時の政府の弁護団が虚偽の証言をし、さらには重要な情報まで隠していたことが判明し、フレッド・コレマツは再び裁判を起こす。

1983年の裁判で、戦中の有罪判決は無効として、ついに名誉を回復

1993年にアメリカで出版されたこの伝記は、ここで終わる。

 

その後、フレッド・コレマツは自由と平等の権利を主張する一連の勇気ある行動が評価され、1997年には時のクリントン大統領から文民最高の勲章である大統領自由勲章を受賞した。

 

 また、カリフォルニア州では、コレマツ氏の生まれた1月30日を、「フレッド・コレマツの日」と制定し、憲法で自由が保証されていることを再認識する日としている。

 

 "If you have the feeling that something is wrong, don't be afraid to speak up."

 「もしそれが間違っていることだと感じたら、声を上げることを恐れてはならない」

フレッド・コレマツ

 

「正義をもとめて」は、小学校高学年の児童を対象に書かれた、とても読みやすい伝記。大人であれば1時間ほどで読めてしまう。

残念ながら日本では、コレマツ氏を主題にする著作は、この「正義をもとめて」以外にはあまりない。

この「正義をもとめて」も、現在は絶版になっているのか、あまり流通はしていないようです。

ご興味があれば、所蔵のある図書館等で取り寄せてみてください。

 

正義をもとめて―日系アメリカ人フレッド・コレマツの闘い (ノンフィクション・Books)

正義をもとめて―日系アメリカ人フレッド・コレマツの闘い (ノンフィクション・Books)

  • 作者: スティーヴン・A.チン,Steven A. Chin,金原瑞人
  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: 単行本
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ぜひ、多くの親子に読んでほしい伝記です。

 

追記:もう少し、詳しく知りたい方は「ストロベリー・デイズ 日系アメリカ人強制収容の記憶」も読んでみるのもいいかもしれません。

少し分厚い本ですが、インタビュー形式で日系アメリカ人の記憶を収録しています。

こちらも大変興味深い本でした。 

ストロベリー・デイズ―― 日系アメリカ人強制収容の記憶

ストロベリー・デイズ―― 日系アメリカ人強制収容の記憶

 

 

  

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